ひらめいたようにビシッと言ってのけた清瀬くんに目を見開く。
「そんなことないよっ!」
「俺の目は誤魔化せません」
「なんでよ。好きな女の子のことしか見てないくせに」
あ、今の言い方、ちょっとイヤな感じだったかも……。
それに、嫉妬してますって……言ってるようなもんじゃない?
……墓穴ほったかも。
「うん、見てるよ。ずっと」
え……?
「その子のことしか見えないし、俺」
ーーズキッ。
そう……だよね。
清瀬くんは、一途だもんね。
思わず泣きそうになるのをくっとこらえる。
「告白しないの?」
「するよ。いつかは」
そのいつかに、清瀬くんが告白して、相手の女の子がOKしたら……。
もちろんふたりは付き合うわけで。
それで手もつないで。デートだってして。
キスとか、ハグとか……。
たくさんの特別なことを、ふたりでする。
あぁ、なんか。
想像すると、せつないや。
それでも私は笑って。
「うまくいくといいね」
そんなこと微塵にも思ってないのに。
君の背中を押すんだ……。
私の強がり。