その顔やめろーっ!!


「ぶっ!!」


丁度手元にあったティッシュを箱ごと恭の顔に投げつける。


「そう言うけどさ、百合は去年、太一と一緒に参加したいなんて一言も言わなかったじゃんよ。」


直が不思議そうにそう言うと、太一がピクッと体を揺らす。


「あたしは、"旦那元気で留守がいい"派だからね!」


「…………」


百合さん……今何気に酷いこと言ったよね。


太一がさすがにシュンとしてますよ。


直と春馬は、ゲラゲラと爆笑している。



「百合さん、今年も参加しないの?」



「うん。あたしは今年もパスかな。
もし何か起きた時とか……ほら……あたし足手まといになるだろ?それは嫌だからさ。」



そういえば、百合さんは前に不良グループに襲われたとき、発作みたいなものを起こしてしまった。


きっとそれは、ゆりさんの虐待にあっていた過去が原因なんだと思う。


暴力=過去に繋がって発作が起きてしまうんだとしたら、出来るだけそれが勃発する場所に行くべきではない。



百合さんはあんなこと言ってるけど、本当は太一に付いていきたいはずなのにな。


好きな男の人と危ない思いも何もかもを共有したいのは、本当は百合さんなんでしょ?


「なーによっ!その顔はっ!」


「いたっ!」


百合さんのデコピンを食らう。


「あたしの分も太一が無茶しないように見といてやってね。無茶しようもんなら、殴っていいから。」


パンチのポーズをしてニカッと笑う百合さん。



強い人だな。


あたしが慰められて、どうするんだ。



「……うん。分かった。任せて!」




「というわけで、決行は去年と同じじ12月24日。念の為、茉弘を守る為の作戦をそれまでに練るから。明日から毎日、幹部4人はここ集合して。時間は、追って連絡します。」


みんな声を揃えて返事をする。



え?


12月24日?


それって……