ケータイ小説 野いちご

カ・ン・シ・カメラ

☆☆☆

それからあたしは休憩時間ごとに颯に会いに行き、颯が希彩ちゃんの話を持ち出した時にはすぐに話題を変更した。


最初はその事を嫌がっていた颯だったけれど、あたしがもっと面白い話題をするとその話に食いついてくれた。


家に帰って面白い話題を探し、休憩時間や休日には颯にそれを聞かせる。


すごく時間のかかる作業だったけれど、それを毎日繰り返すことで颯は自分から希彩ちゃんの話題を出す事はほとんどなくなっていた。


「颯もそろそろ進路を考えなきゃね」


あたしがそう言うと、颯は「あぁ。そうだなぁ。勉強は嫌いだから就職をすると思うけどな」と、返事をする。


その変化をあたしはすごく嬉しく感じていた。


これなら将来の心配もする必要はないかもしれない。


あたしは自分が颯の救いの手になれているような気がして、とても満足していたのだった。

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