「今日の颯は何をしてるのかな?」


そう呟き、ウキウキしながら画面を確認する。


いつもの部屋がパッと映し出され、その中に人の気配はない。


まだ帰ってきていないようだ。


あたしはアプリを起動したまま、学生鞄からデジタルカメラを取り出した。


それをノートパソコンに接続し、今日撮った写真を確認していく。


監視カメラを見ながらも、あたしは颯の盗撮をやめていなかった。


1年以上続けていたことだし、もう日課になってしまっている。


盗撮しないと、歯を磨き忘れたときのように、気持ちが悪いままなのだ。


あたしはパソコン上で写真を1枚1枚確認していく。


今日の颯は食堂で友達とご飯を食べている所だ。


いつもはお弁当を持ってきているけれど、食堂にいたということは、お母さんの仕事が忙しいのかもしれない。


あたしなら、颯の奥さんになって毎日でも作ってあげられるのに。


颯と出会う前までは夢も持っていたけれど、颯と出会ってからはそんなものどうでもよくなっていた。