「モテる彼氏を持つと大変だね」


「うん……」


落ち込んでいると、杏里があたしの頭を撫でて来た。


「純白は何をプレゼントにしたの?」


そう聞かれ、あたしはパッと目を輝かせる。


「クマのぬいぐるみ!」


その返事に杏里は目をパチクリさせる。


「クマのぬいぐるみ……?」


「そう! とっても可愛いんだよ!」


「そ、そうなんだ……?」


杏里は首を傾げている。


「颯先輩はクマのぬいぐるみが好きなの?」


「ううん、ぜーんぜん?」


杏里はますますわからない、という様子で首を傾げる。


だけどあたしには気にしない。


「今日は颯を放課後デートに誘ったんだぁ」


「そうなんだ? 楽しんできてね」


杏里にそう言われ、あたしは大きく頷いたのだった。