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あたしが監視カメラの画像を見ていると、部屋のドアがノックされた。


「はい」


スマホを閉じて返事をすると「荷物、届いてたぞ」と、部屋の外からお兄ちゃんの声が聞こえて来た。


「わかってる」


それだけ言うと、部屋の前から遠ざかっていく足音。


お兄ちゃんが先に帰って荷物を受け取ってくれていたみたいだ。


「気配がないから帰ってるかどうかもわかんないっつーの」


あたしはそう呟く。


普段会話はしないけれど、さすがに荷物の事は声をかけた方がいいと思ったのだろう。


自分のお兄ちゃんと颯が同年代だなんて思えない。


颯のようなお兄ちゃんを持っていれば、周囲に自慢だってしたくなるだろう。


希彩ちゃんが颯にベッタリなのも、気持ちは理解できる。


あれだけカッコよければ誰にもとられたくないと思ったりするかもしれない。


「でも颯はあたしの彼氏だから」


あたしはそう呟いたのだった。