『急いで、月華の迎えいかなきゃ!!』
あたしのは暁月夜ーアカツキツクヨー。
これからダッシュで娘の迎え行くところ。

走ること10分。
はぁっはぁっ。
『着いたぁー。』
ギーガチャン。
『あ、ママだぁ!せんせー、さよーなら♪』
あれ、今日は、素直だな。
『はるちゃん、いつもありがとうね。月華がお世話になって。』
春ちゃんこと喜信遥香ーヨシノハルカーはあたしの従姉であり、ここ、私学保育〈城紫保育園〉に通うあたしの娘の担当先生。
『ううん、いいの。月姉には大きな借りがあるから………。』
あ、またそのこと言ってる。
『いいんだってば。気にしなーいの。』
それから、5分ほど月姉の事で話してると
『マーマ?帰ろーよ。お腹空いたぁー。』
『あ、もうそんな時間か!早く帰ろーね。』
我が子じゃなくても可愛く思えるね、うん。
『じゃあ、また明日!ちょっ、月華待ってー。』



帰り道で不思議なコトが起こるなんて
この時のあたし達は知らなかった。