ケータイ小説 野いちご

心の中でごめんなさい

私の娘が彼に向かって急に子供の名前を聞いた。

「あの・・お名前は何ていうんですか?」

「あき・・だよ」

「あきちゃん・・かわいい名前」

「あき・・おねえちゃんが可愛いって・・」

優しく声を掛ける彼の表情を見てあんな顔もするんだなと思った。

「それじゃ・・あきちゃん・・バイバイ・・」

と私の子が手を振った時、彼の子が娘の手を握り離さなかった。

「ママ・・あきちゃんが・・・」

「遊んでもらって嬉しかったから、バイバイしたくなかったのかな?」

「よかったら・・まだ遊んであげて・・まだ出てきそうにないから」

私は早くこの場から立ち去りたかった。

でも子供達を無理やり離すこともできなかった。

「それじゃ・・あきちゃんのママが来るまでね・・」

「あき・・よかったな・・」

彼は子供の頭をなでていた。

お互い声を交わすことも無く彼の奥さんが店から出てくるのを待った。

暫くして彼の奥さんが出てきた。

「あら・・すいません・・何だか見てもらってたみたいで・・」

慌てて謝ってきたので、子供同士遊んでいたことを伝えた。

私の子供と彼の奥さんが会話を始めた時、彼が私に声をかけてきた。

「ありがとうございました・・ぐずらずに済みました」

「い・・いいえ・・こちらそ・・娘が急に声をかけたりして・・」

まるで初対面のような会話を交わした。

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