「華湖(かこ)、なんか飲むもんない?」 ある日の休み。 真琴くん(まこと)くんにリビングのソファーから、そう聞かれた私は冷蔵庫を開けた。 「うーんとね、ブドウジュースならあるよ」 ガサゴソと探していると、後ろから出てきた缶を取り出して、そう言いながら真琴くんに見せる。 「ん、それ持ってきてくれる?」 「はーい!」 そう言って、テレビを見ている真琴くんに近づき缶を渡すと、「さんきゅ、」と言って受け取ってくれた。