――――どれくらい、泣いていただろう。


気が付けば歓声は止んでいて、私は音のない教室に一人、しゃがみ込んでいた。


眩しいほどの夏が過ぎ、秋が来てもまだ、私は太陽に嫌われたまま。


きっと、もう二度と、太陽に手が届くことはないだろう。


それでも私は今、とても幸せな気持ちでいられる。


……日下部くんの、お陰で。

日下部くんが私に、夢を見せてくれたから


私は、たった一瞬。

もう一度だけ、夢を見ることができたの。