「ひやーしっかし、かっこいいな。甲冑っつうの?凛々しいよなぁ」


「燭は何番目なの?俺達にも燭って分かる姿なのかな?」


騒がしい二人の興味の対象はコロコロ変わる。テレビ番組の話をしていると思いきや、次に耳に入ったのは燭の話で。


「あ、アカリじゃないの?」


そのタイミングでルイが、人が挟む道を馬で入場する燭の姿を見つけ出した。


燭は前の人の甲冑姿とは違い、青の着物に烏帽子を被り、凛々しく背中を伸ばして颯爽と馬を走らせている。


「あーかーりー!どっひゃー!かっこいい!なぁ見たかよ……って里佳子、トマトみたいにまっかっか」


その燭の姿にテンションを更に上げた成が里佳子に話しかければ、里佳子は真っ赤な顔を両手で覆って首を横に振るった。


「リカコはアカリの事、愛してるよね」


「うっせーな!このポンコツロボットにウザウザ男!」


乙女全開でしおらしかった筈の里佳子は、素直な感想を述べたルイや成を素早く殴り、また顔を隠す。


本気で痛がっている成と、形だけ殴られた胸元を摩るルイを見て、私は自然と笑が零れた。