次の日。
成宮との約束の時間に駅に行くと、ヤツはすでに来て待っていた。
1日経ったくらいでは顔の腫れは引いてはなくて、通り過ぎる人が成宮を見て行く。
でも成宮は気にしてない様子。
私を見つけると笑顔で手を振った。
「お待たせ」
私はそう言って成宮の前に立った。
「おはよう」
「あ、うん。おはよう」
「はい、これ。約束の課題」
紙袋に入った課題を差し出す成宮。
「ありがとう」
私は紙袋を受け取った。
これで夏休み明けに先生たちに嫌味言われないで済む。
毎年毎年、ガミガミ嫌味言われててムカついてたんだよね。
「終わったら、また連絡して?」
「あ、うん」
「じゃあ!」
成宮はそう言って笑顔を見せると、私に背を向けた。