ロミオと、ジュリエットのような…?


…違う、か。


貴方たちは既存の物語とは全く別の…

この世に新しく生まれてしまった、悲劇のヒロインとヒーローなんだね。


私には、二人の物語をハッピーエンドにすることは…出来ない。


そう理解した時、堪えていた声が漏れ、私は久しぶりに声を出しながら泣いた。




「和哉君…あんた、そんな人間らしい顔出来たんだ…」




ーーーこんな恋は、あんまりだ。



誰もいない廊下は、生徒会室から漏れるキーボードを叩く音が聞こえるくらい、静寂に包まれていた。




【side瞳 END】