「こんばんは。」


自転車から降り、原田さんの横へ並んだ。

びっくり?するんじゃないかな?

そんな気がした。


原田さん??

あれ?聞こえないの・・・。

振り向きもしないじゃん。

「原田さん?」

俺はもう一度、名前で呼んだ。


ゆっくりと俺を見た原田さん。


唇に指を当て、目をパチクリさせて…。


「あら〜!木下さん。どうしたの?」


それは・・・。


こっちが、聞きたいセリフだよ。

「飲み行ってて〜。原田さんこそ、こんな時間にどうしたんですか?」


危ないじゃないですか?

そう言いたかったけど。

聞けなかった・・・。