成宮の家でお菓子とお茶をもらった。


晩ご飯も食べて行ってと言われたけど、それは断った。



「じゃあ、私、帰るね」



成宮の部屋で少し話したあと、帰ろうと思ってその場から立ち上がった。


帰ると言ったのは、これで何回目?



「送って行くよ」



成宮もベッドから立ち上がる。



「えっ?いいよ。1人で帰れるから」



ケガ人に送ってもらうなんて出来ないよ。



「外も暗くなって来たし、それに……」


「それに?」



なに?



「神崎さんと、もう少し一緒にいたいから……」



えっ?



「あ、ゴメン……。迷惑、だよね?」


「べ、別に迷惑なんて思ってないし」



私は成宮から目を逸らしてそう言った。



「本当?良かった」



成宮はそう言ってクスリと笑った。