「あの、ミッキー、この話を簡単にまとめると、ルイはミッキーが作ったロボットだってこと?」


「正確に言えば制作者は笑里のとーちゃん。俺は助手だったんだ。まぁ、当初の制作目的とずいぶんルイの目的は変わったみたいだけど」


案外冷静な嶋山成の質問に、美樹はただ淡々と答える。


里佳子はまだ目の前の状況を整理する為に黙り込み、皮を完全に剥いで機器が剥き出しになったルイの右足を見つめていて、楠本燭はそんな里佳子に手を重ね落ち着かせているようだ。


「私もルイが転校して来たその日に彼が父が造り出したヒューマノイドだと知りました。黙っていて、すみません」


「いや、話されたって信じらんないだろ。この状況になっても、現実味無いもん」


そう答えてようやく弱々しく嶋山成が微笑んだのを見て、この人は知っていても大丈夫だ、なんて安堵を覚える。


「なあ、じゃあ何でルイは造られたんだ?アタシは馬鹿だから、ルイがスゲェ金と技術で造られたことしか分かんねぇよ」


そして、ずっと黙っていた里佳子は色々頭を整理して導き出したらしい、核心めいた質問を言葉にした。


ルイの造られた理由。それは、私にも分からないこと。