「蜂谷 美月はね。太陽に嫌われた女なんだよ?」



直後、紺色の空に打ち上がった、大きな花火。


同時に響いた歓声は、耳鳴りのように俺の鼓膜を震わせた。


思わず顔を上げたら、夜空に咲いた花の残骸がパラパラと音を立てて溢れるように落ちてくる。



「これ、結構有名な話なのに、彼氏が知らないとかマジ笑える。アイツ、あんたに内緒にしてたのかな?」


「……、」


「あんたの彼女、蜂谷 美月はね――――……」


「っ、」