二人は数秒固まっていたものの、すぐに我に返り私達の元へと駆け寄る。


「リカちゃん、片岡さんも大丈夫?怪我はない?」


「ああ、アタシは尻餅突いただけ。笑里は手に擦り傷があるね。他は平気?」


「は、はい。足首を捻ってしまったようですが多分捻挫くらいです……でも」


私は、私と里佳子を地面に降ろした後のルイが気になって振り返る。里佳子や楠本燭も、私に合わせてルイへと視線を向けた。


「ルイ、しっかりしろ!おい!……ってか、何だよ、これぇ」


嶋山成に抱えられるようになったルイは、ぐったりとしていてぴくりとも動かない。


「意識レベル低下、ボディ異常の為、機能を強制的に停止」


人間からは絶対出ることの無いモータが停止するような機械音と、よく出来た唇から零れるアナウンス。


そして、もう誤魔化しが利かないトドメのように、ルイは崖下で着地した膝小僧から、血の代わりに多くの機器を覗かせて機能を停止させていた。


「……とりあえず、私達の部屋に皆さん来て下さい。嶋山君は、ルイをお願いします」


もうどうしても嘘をつくことが出来ない状況で、私は困惑する三人にそう告げた。