「優月?まさか、忘れてた?」
「えっ?……なわけないじゃん」
って、忘れたけど。
「いやね、受験生だからさ、あまり遊んでもいられないのかな?って……。」
「そっか……そうだよね……」
てか、受験のことなんかなんにも考えてなかったけど、あずはちゃんと考えてるんだね。
同い年なのに、あずがお姉さんに見える。
まぁ、性格的にも私よりしっかりしてるしね。
「でも、彼氏と旅行の約束しちゃった。旅行から帰って来たら頑張る!」
あずはそう言ってクスクス笑った。
受験生だから遊べないとか言っときながら、彼氏とは旅行に行く約束はしてるんじゃん。
前言撤回。
「私も夏休み明けから本気出す!」
私はそう言った。
あずと私はお互いに笑い合う。
早く新しい彼氏を作るんだ。
で、成宮と別れるんだ。
そこで昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。