沙耶は肩をすぼめた。

そんな沙耶の言ったイルミネーションという案はいいかなって思う。

付き合っている人たちはそういうところに行ってプレゼントを渡すイメージ。

プレゼント……。

「男の子って、どんなものを貰ったら嬉しいかなあ?」

「プレゼントの話? そりゃあ、何でも嬉しいでしょ!」

「沙耶は好きな人とかにクリスマスプレゼントあげたことある?」

「えっと……うん、ない」

沙耶は視線をそらしてしまった。

わたしは唸りながらたどり着いた教室へ入っていく。

席に荷物を置いて座ると、沙耶がすぐにやってきた。

「本当にプレゼントって何でも嬉しいはず! とくに梶本くんは、菜々花が渡すものならすごく喜ぶと思うよ!」

沙耶はにっこりしながらそう言った。

わたしはなんだか照れて、唇をむすんでにやけてしまうのを我慢する。

「どんなものが欲しいかさりげなく聞いてみるっていうのもいいかもね。さりげなくよ? さりげなーく!」

沙耶の言葉にわたしはふむふむとうなずいた。