「あー、やばい。ほんとなにこの可愛い生き物」 「……え?」 「…なんでもない。着くまで休んでろ」 優しい声で、そう言う先輩。 …あの時、先輩が屋上にいてくれてよかった。 助けてくれたのが先輩で、よかった…… 温かい体温に包まれながらゆっくりと目をとじ、聞こえた先輩の胸の鼓動は、少しだけ…速いように感じた。