「あぁ、知ってたよ。毎日あんなに追いかけられてたら気づくっての。ちょっと優しくしたぐらいで浮かれてさ。女って本当にバカだよな」



「ヒドイ……」



あのキラキラした笑顔の裏に、そんな思いが隠されていたなんて……。



「キミと矢野拓磨の様子からして、矢野拓磨とは無理矢理付き合ってるってことと、矢野拓磨も美憂ちゃんの気持ちを知ってて無理矢理付き合わせてるってわかってたから、簡単に奪えると思ってたのに、キミの気持ちが変わっちゃったみたいだから、作戦変更したんだ」



「そんな……」



「昼休みのあと、たまたま矢野拓磨に会って、下駄箱に4時に呼び出して、そのタイミングで告白したのも作戦。まさかあんなに簡単に2人の関係が崩れて、美憂ちゃんを連れ出せるとは思ってなかったから、ビックリ」



星司くんは嬉しそうにククッと笑う。
時計を見てたのはそういうことだったんだ……。



「さぁさぁ、パーティはこれからだよ。美憂ちゃん」



星司くんの冷たくて狂気を感じられる瞳に、寒気がした。