季「穂。ごめん。今、咲羅と二人で話したいんですが、皆を連れて行ってもらえますか?」

穂「はい。皆さん行きましょう。」

穂を中心に皆は病室から出て行った。

季「咲羅。またあの夢見たの?」

みんなが出て行ったと思うと、季蓮が急に、訪ねてきた。

咲「ぅん。なんで?」

季「俺が入ってきた時、咲羅、魘されてたから。」

咲「そっか。ね、季蓮?」

季「ん?」

咲「私の…生きる意味ってなに……?」

季「咲羅?」

咲「私ね、夢見た時、思ったの。お兄ちゃんは辛い思いしかしてなくて、私だけ幸せになって、家族皆に、幸せになるなって言われてきた。お前が生きる意味なんかないってことも言われた…。お兄ちゃんは死ぬべき人じゃなかった。私が居なかったら、こんな事にはならなかった。季蓮。私、生きる意味ないの?」

季「それは俺にはわからない…。でも、お前は俺にとっては生きる意味になってる。」

咲「どーゆー意味?」

季「俺等蘭蝶にとっては大事な存在って意味。」

咲「そっか。でも、わからない。私ね、生きる意味ないの。先が真っ暗で、何も見えない。」

季「……。」

咲「これから先私がみんなを傷つけたらどうする?私、もっともっと死にたくなる。わかんないよ。」

私が言ったあと、季蓮は何も答えてくれなかった。

まだ、ここからの悲劇を私達は知る由もなかった。