「なぁ?」



村上さんの顔が急に笑顔から真顔に変わる。



「は、はい」


「時間、ある?」


「えっ?」



村上さんが私に近付いてくる。


な、なに?



「2人で抜けない?」


「へっ?」



さっきまで真顔だった村上さんの顔が再び笑顔になる。


抜ける?


えっ?それって……。


えっ?えっ?


急に足の力が抜けて、床にペタンと座り込んでしまった。



「大丈夫?」


「あ、だ、大丈夫でふ」



ビックリしただけ。


私は村上さんにマヌケな笑顔を見せることしか出来なかった。