「ごめん真鍋、あとは頼む」 本当ならそばにいてやりたいけど、 仕事を抜けるわけにもいかない。 「仕事終わりに迎えに来るから」 これは優苗に向けて言ったつもり。 目は瞑ってるけど、意識はあるはずだから聞こえているだろう。 「じゃあまたな」 おう、と手をあげる真鍋に見送られて診察室を出た。