ケータイ小説 野いちご

私にモテ期がやってきた

「分かってるよ。
妹と親友の恋路の邪魔はしないよ。
でも、まぁ智美、頑張れよ。大和はモテるから。
もうすぐ、学校も離れるし、俺も大和と違う大学になるんだからな」

なんだかんだ言ってもお兄ちゃんは優しい。
こうして、私と大和先輩のことを心配してくれているのだから。

だから私も、
「うん、ありがとう」
と返した。

お兄ちゃんは食べた食器をキッチンに運ぶと、そのまま自分の部屋へと行ったみたいだ。

私もカップのミルクティーを飲み干すと、
「ごちそうさまでした」と、キッチンに食器を下げて、自分の部屋へ戻ろうとした。
しかし、それを呼び止めたのはお父さん。

「智美」
「なぁに?」
「おこずかい、ないだろう?これでお前も、新しい服でも買ったらいい」
と、1万円札を2枚渡してくれた。

「えっ?
こんなにいらないよ」
私はビックリして、1枚をお父さんに返そうとしたが、
「いいから。念のために持って行きなさい。
…もし使わなかった時には、返してくれればいいから」
そう言ってくれるから、
「うん、分かった。
お父さん、ありがとう」
と、素直に受け取った。

たぶん、…いや、絶対にお父さんは、「使わなかったよ」と返しても受け取ってくれないから、ネクタイかハンカチでも買って来てあげようと決めた。

もちろん、お母さんとお兄ちゃん。そして、お姉ちゃんにも。



< 2/ 47 >