「その反応からして、図星みたいね!」


「ちょっと考えてただけだよ。何となくっていうか…」


「でも、自習に切り替わったことに気付いてなかったんだから、それだけ熱心に瀬ノ内君のこと考えてたわけでしょ?完全に恋だね!」


目を輝かせて、はしゃぐ恵理子。


私は周りをキョロキョロ見ながら唇の前で人差し指をたてた。


「っていうか、そんな話してる場合じゃないでしょ。自習の課題やらないと。」


「あ、そうだね。じゃあ、瀬ノ内君の話は…また後で。」


「それから、恵理子…陽希の話になると声が大きくなるから、ボリューム下げてよね。周りに筒抜けなんですけど。」


小さな声で耳打ちすると、恵理子はニッコリと頷いた。


「了解。でも、もう…殆どの女子にバレちゃってるんだし、コソコソする必要なくない?」


「だからこそ、刺激したくないんだってば!」


「まあ、朝も昼休みも大変だったもんね…由依。」


「そうだよ…。ビックリしたんだから。」


私はガクリと肩を落とした。