ケータイ小説 野いちご

はちみつ色の太陽

 


明らかにサイズの合っていない上履きを見て、「チッ!」と盛大に舌を鳴らした日下部くん。


そんな日下部くんを前にオロオロしていれば、日下部くんの背後――――今の今まで気配を消して、私たちのやり取りを静観していた刈谷くんが、今度は盛大に吹き出した。



「……っ、よ、陽っ、そりゃあ無理があり過ぎでしょっ。美月ちゃんと陽の足じゃ大きさ全然違うし、そんなブカブカの上履き履いてたら、歩きにくくてしょうがない」


「……うるさい、」



ぽつり、そんな刈谷くんを前に、やっぱり不機嫌そうにそんな言葉を呟いた日下部くんは、私が脱いだ来客用のスリッパを履いている。


俯き気味に、ほんのりと顔を赤くした日下部くんは、そのまま拗ねたように顔を逸らしてしまって。


そんな日下部くんの様子に、思わずキュンと胸が高鳴ってしまった私は、日下部くんのその不器用な優しさが、とてもとても嬉しかったんだ。


 

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