(…やっぱり、緒方さんも同じなのか…)

そんな気がしてしまった。

(私でなくても、ルナがいればいいんだ…)

そう思った。
だって…私といても楽しそうにしてたことないし、いつも不機嫌そうだし、なんだか常にイライラしてるし。

(…命令口調だし、言い方だって酷いし…)

第一……


(笑ってくれたことなんて……無いもん…)


じわっ…と涙が出てきました。
泣いたらダメだと思って、必死に我慢してたけど…


(ダメ…どうしてもナミダ出る……)


泣くなんて、どうかしてる。
だけど、どうにも止まらなくて…。


カタン…

席を立ちました。
お客さんと話してた緒方さんが、こっちを向いて驚きます。
でも、何も言わず……

ぱっぱ…と手を払う仕草を見せました。

「泣いてる顔でそこにいるな!」…と言われてるみたいに思えて、その通りに席を外しました。


図書館の裏口から外へ出て……

思いきり泣いて……

泣きながら…

(どうしてこんなに悲しいんだろう)

…と考え続けた。

でも、分からなくて、ある程度泣いたところで館内に戻り、裏口近くにあるトイレでメイクを直しながら、ぶさいくな自分に向かって話しかけた…。


「私じゃなくていいのよ。緒方さんには、ルナがいればいいの……」

ぎゅっ…と胸が掴まれるように痛くなってしまった。
分かってたことなのに、きちんと言葉にすると辛かった。



(……だって、礼生さんのことが好きだから…)


浮かんだ言葉にハッとした。

初めてそれに気づいた瞬間、周りにある全ての時間が、重くのし掛かるみたいだったーーーー。