ケータイ小説 野いちご

恋する時間を私に下さい

「昨日は妹がお邪魔しました…」

翌日、図書館に来るなり、あいつはそう言って頭を下げた。

「連日のように押しかけて、お仕事の邪魔をしてるみたいで…」

…母親みたいなことを言ってる。

「別に …こっちは邪魔でもなんでもねぇけど…?」

俺はともかく、アシ達の相手をしてくれるからな。

「そ…そうですか……ならいいんですけど…」

意外そうな顔をする割に態度がはっきりしない。
何か他に言いたいことでもあるのか?

「…問題でもあるか?」

逆に聞いてみた。
ビクついたヤツが、「いえ、あの…」と言い淀む。

(…何なんだ?)

昨日の睨みつけといい、今日の歯切れの悪さといい、言いたいことがあるならハッキリしろよ!

「なんだよ。妹がウチに来たらいけねぇのか⁉︎ 」

アシ達の暇つぶしをしてくれる。
俺はそれなりに助かっちゃいるんだが…。

「いえ、あの…ただ、ご迷惑なんじゃ…と思うだけで…」

モジモジしながら答えた。
迷惑は迷惑だが、身内にそうとは言えないだろ。

「別に迷惑…って程でもねぇよ。珍しいもん食わせてもらったり、結構面白い時もある」

昨日のラーメンの件だけ、だけどな。

「そ……そうですか……」

意気消沈?
なんでそんな暗い顔すんだ。

「…ならいいんです…すみません…」

頭を下げて離れようとする。
こっちは気になって、つい手を引っ張った。

「…おいっ!待て!」

ビックリしたヤツが振り返る。
その顔を見て、こっちは息が止まった。


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