ビックリして上半身を起こすと、視線の先に見知らぬ男が眠っていた。


腕を組んで、ソファにもたれ掛りながら……。



「ぎゃあああぁぁぁーーーーーーっ!」


この男、あたしに何したのぉっ!?


あたしの叫び声に、男が目をパチッと開けた。



「ち、痴漢ッ!!」


あたしが寝ていたのもソファだったみたいで、その上で必死にもがく。


そうしている間にも、男が近づいて来て。


「痴漢ってなんだよ失礼だな。俺にはちゃんと久郷渉(クゴウワタル)って名前があんの」


グッと顔を寄せた。



……あ。


その整った顔を見て思い出した。