ん?
 日取りは待て?
と思っていると、夏目は飲み終わった缶をゴミ箱に投げ、

「またあとで連絡する」
と言って、側に居た男と話しながら行ってしまった。

 あっさりだ……。

 むしろ、横に居た男の方が何故か赤くなり、こちらを振り返っている。

 そこで、いきなり誰かに肩を掴まれ、未咲は、うわっ、と声を上げた。

 第二秘書課の先輩、平山桜(ひらやま さくら)だった。

「あんた……なに、やってんのよ……」

 桜は、猛ダッシュしてきたらしく、息を切らして、未咲の肩にぶら下がっている。

「いや……。
 うーん。

 なにやってるんでしょうね」

 自分でも展開がつかめず、未咲は、小さくそう呟いた。