入学式を終えて教室のある校舎に入ったとたん、
『キャー』
黄色い歓声が校舎いっぱいに響いた。
気がつくと目の前に人だかりができていた。
『あれが、噂の黒木 潤じゃない!?』
『黒木 潤って誰?』
『知らないの?サッカー部のエースでプロが注目してるほど上手いの!
それに、見たことないくらい美少年なんだって。』
近くにいた子達の会話が聞こえてきた。
私には関係ないどうでもいい話。
ていうか邪魔なんだけど。
人と人の間を通り抜けてやっと人だかりを抜けられた。
そっと後ろを振り返ったときちらっと見えた。
噂の美少年を。
言うほどでもなかった。