…そんなの考えにくい…。
あの礼生さんに限って、あんなマンガ、描く訳がない。
人一倍プライド高そうなのに、どう見ても描くもの選びそうなのに……。



(………きっと別の人の名前だ……!)

迷った挙げ句、そういうことにした。


「…うん!…きっと、そう!」

納得して言い聞かす。

ーー今の漫画は、見なかったことにしよう。

…忘れよう。
…知らないことにしよう。

(ボーイズラブなんて漫画、私は見たことない……!!)


ーーー頭に浮かぶ度に、ブンブンと振り続けた。
だけど、心に残る作者の文字は幾らやっても消えずに、いつまでも居座り続けた…………