ケータイ小説 野いちご

恋する時間を私に下さい

ブーブー…とメール音が鳴った。
右手で引き寄せて見る。

『お姉ちゃん、シチューの作り方ってどうやるの⁉︎ 教えて〜♡』

甘えん坊からのヘルプ。

家でどんな生活してるんだか…と、疑いたくなるくらいの内容。
ルナは美人で可愛くて、連れ歩くにはもってこいの女性だけど……


(……家事がまるでできないのが悩みなのよね……)

そもそも、実家で包丁を持ってる姿なんて見たことない。
まともに包丁を握れるかどうかも怪しいレベル。


『教えない!…自分で調べなさい!( *`ω´)』

子供っぽいメールを送ってしまった。
我ながら情けない。
妹のピンチを助けようともしないなんてーーー


「だって…どうでもいいことにしたから……」

隣のことは気にしない。
何も手伝わない。
あの人のことなんか知らない。

私はただ、図書館長の隣に住んでるだけ。


『お姉ちゃんのケチ!ベー!』

子供が返信してきた。
ルナらしい…と思いながら、心のどこかで手伝えば良かったかな…と考えてる。
私でなくてもいい…と思ったからこそ、緒方さんはあの子を部屋に引き入れたのに。

(…出る幕ないのよ。だから何もしないで、自分の時間を満喫すればいいの!)

家事のできない妹に困ったら、ハウスキーパーでも雇えばいい。
あの人は寝る暇もないくらい、忙しく仕事してるんだから。


……完全にスネてる。
子供のやる事と一緒だ。

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