苦しい。 助けて―――――。 赤が迫ってくる。 赤が。 「やああああ!!!」 蒼子は、自分の叫び声と共に目を覚ました。 肩で息をし、汗を流す。 「はあ・・・はあ・・・」 「蒼子」 白玖が蒼子を見下ろす。 揺れる瞳が、白玖を見上げた。 「白玖・・・」 「ああ」 呟くように呼んだ名前。 短く答えられた声を聞き、ホッと息を吐いた。