ケータイ小説 野いちご

妖の王子さま




苦しい。
助けて―――――。






赤が迫ってくる。
赤が。






「やああああ!!!」





蒼子は、自分の叫び声と共に目を覚ました。
肩で息をし、汗を流す。




「はあ・・・はあ・・・」

「蒼子」




白玖が蒼子を見下ろす。
揺れる瞳が、白玖を見上げた。




「白玖・・・」

「ああ」





呟くように呼んだ名前。
短く答えられた声を聞き、ホッと息を吐いた。





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