『似てるでしょ⁉︎ …頼三さんに似てるよね…⁉︎ 」

…胸の中の声が、大きくなってくるんです。

だから、その声を無視することができない。
愚かだな…と思いつつも、彼の指令に従うことしか出来なくなる…。



「…鍋は6人分用意すればいいですか⁉︎ 」

買い物リストを書き上げて振り返る。
その瞬間、私だけの時間が訪れる…。


「ばかっ!それじゃ少な過ぎだろ!男ばっかなんだぞっ⁉︎ お前だって食うだろっ⁉︎」


……ヒドい言い方だけど、私は嫌われてる訳じゃなさそうです。

…少なくとも、今だけはそうだと信じてます。

頼三さんによく似た礼生さんは、きっと、きっと、優しい人だと思えるから。


ーーこの人の側で、溢れるような優しさを期待しながら、冷たい彼に接してます。
いつか恋する時間が貰えるように、その日が来ることを夢見てるんです……。