ケータイ小説 野いちご

妖の王子さま




「そ、そのうち、白玖にだってわかる日がくるよ!」




結局、そう言って逃げるしかなかった。
白玖はもちろん不服そうで。


志多良が膳を持ってきても、ふて腐れた様子で、仇ともいうように志多良を睨みつけていた。



志多良は、そんな白玖の表情を初めて見て、驚きそして怯えた。
自分が何かしてしまったのかと、思いを巡らせながら心を冷やしていた。




少しずつ。
変わり始めていた。




白玖の心も。
そして、蒼子の心も。





その変化に、一番戸惑っていたのは。





きっと、白玖自身だった。









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