ケータイ小説 野いちご

妖の王子さま




「え・・・?」

「お前は、すぐに泣く。なぜだ」




どう答えていいものか、迷った。
その答えは、自分自身さえよくわかっていないのだから。




「それは・・・、私にも、よく・・・」




そう、答えるしかなかった。
適当に堪えてしまえばよかったのかもしれない。
当たり障りのない回答を。


それでも、せっかく興味を示しているのに、嘘を教えるのはためらわれた。





「・・・ふぅん」




いつもの言葉。
興味がそがれたことを知らせる。

蒼子は、肩を落とし小さく息を吐いた。




「人間は・・・よくわからん」




白玖は一言そう言った後、部屋までずっと黙り込んだままだった。






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