「私たち、いまどこにいるの? ここはどこ? ママは? 他のみんなは……? どうしてここにいるの、私たちだけなの?」

 少しかすれた、小さい声が問いかける。
 でも、そんなことぼくだって知りたい。なのにいちごは問いかけばかり。
 ぼくだってわからないんだ。
 男のぼくがしっかりしてあげなくちゃいけないのに、どうしていいかもわからないんだ。
 メロンは困った顔で、首を傾げるしかなかった。

 ゴロゴロゴロ……。
 低く地響きのするその音に驚く。

「今のはなに……!?」

「ぼっぼくにもわかならいよ」

 体を寄せ合い、迫り来る恐怖にいちごもぼくも身を硬くする。
 ゴロゴロ……。
 再び、低い地響き。

「………?」

 ふいにメロンが空を仰ぐ。
 空から……聞こえたの? 空が唸っているの?

 さっきまで青一面だったはずの空が、いつの間にかねずみ色の暗い色に染められている。
 辺りも暗くなっていた。

 ピカッ!

 突然、銀色の光がメロンの目を射る。
 眩しいほどに空が光った。
 人の手により外に置き去りにされた二匹の子犬にとって、それは初めて見る光景。メロンはただ呆然としたまま空を見上げ、いちごはより小さくうずくまる。
 まるで空が怒ってるみたいだ……でも、なんでこんなことが起こるんだろう?

 ピカッ!
 ド―――ンっ!

 一段と大きく雷鳴が轟いた。どうやらどこかへ落ちたようだ。