ケータイ小説 野いちご

俺、お前に惚れてんだけど。



「はいはい。泣き虫なところは変わってないんだから」



「う〜……っ」



クスクス笑いながら、なだめるようにあたしの背中をトントンしてくれる杏の優しさが胸に染みる。



「あーあ。杏の服が志帆の涙と鼻水でぐちゃぐちゃじゃん。ほら、服かしてやんなよ」



「う〜……」



奏太が来て、あたしの身体を杏からベリッと引き剥がす。


そして、あたしと杏の背中を押して2階へ追いやった。



そ、奏太……っ。


あ、ありがとう。


あんた、かなり出来る奴じゃん。



部屋で話を聞いてもらえってことでしょ?


奏太にそんな優しさがあったなんて、あたしはビックリだよ。



奏太の優しさに、また涙が溢れた。



杏に話を聞いてもらって少しだけ落ち着いたけど、心はヒリヒリ痛いままで。


結局、全部は話せなかった。


ただ、杏は泣き止むまでずっと背中をさすってくれた。



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