そして放課後。



午後からの授業でも、久間君があたしに話しかけて来ることはなかった。


授業中だから話しかけて来ないのは当然だけど。


これまで何度も目が合って来たのに、ウソみたいにパタッと何事もなくなってしまったからすごく寂しい。


胸が痛くて苦しかった。



「久間く〜ん!今日の帰りヒマ〜?みんなでカラオケ行くんだけど、一緒にどう?」



帰り仕度をしていると、後ろからクラスでもかなり目立つギャルさんが久間君の目の前にやって来た。



「今日?俺、夜からバイトだし」



「えー!バイトが始まるまでの間だけでもいいからさ〜!」



こんな光景は何度も目にして来たはずなのに、胸の痛みがどんどん広がって行く。