「きゃー!すっごい可愛い!!あたしのタイプー!!」


「く、苦しい……」



黄色い声を上げながらあたしを抱き締める女の人は、とてもじゃないけど女の力ではなく。



ヤバイ。絞め殺される……。


本気で白目を剥きかけた、その時。



「愛歌(アイカ)離してあげて。凛音、死んじゃうわよ?」



聞こえてきたのは真紀さんの声。



ま、真紀さん!

助かった……。



「ちぇ」



真紀さんの言葉に渋々離してくれた女の人。



「えっと……?」



一歩後退して見上げると、ニコッと笑ってくれた女の人。



っていうか、この人背高っ!!



170㎝は優に超えているであろう身長に、キリッと切れ長の印象的な瞳。


ロングの髪の毛は綺麗に巻かれていて、スタイルは言うまでもなく完璧。


……何なんだ。この超絶美人さんは。



あまりの迫力に何の言葉も出てこないあたし。


そんなあたしの心情に気付いているのか、愛歌さんは綺麗に施された真っ赤な唇を意味ありげに引き上げた。



「はじめまして。あたしは愛歌。真紀と凛咲の友達よ。よろしくね」



そう言って、最後にウィンクする愛歌さんに思考が一瞬停止した。



……え、ちょっと待って。



「ママの友達!?」



今、確かにママの友達って言ったよね!?



雄叫びを上げるあたしに笑顔で「そうよ」と答える愛歌さん。



「凛音、ごめんね。説明するから中で話しましょ」



苦笑しながらそう言った真紀さんはあたしの手を引いて家の中へと入っていく。