本当は優しい人なんだって。


里緒の言った通り、あたしは真田君に言われたことがトラウマになってて。


それを今も乗り越えられていないんだ。


だからこそ、久間君と付き合うのが怖い。



付き合った先にあるのは、別れしかないんじゃないかって。


すごく怖いんだ。



「聞いてんのか?頼むから……早く返事しろって」



耳元で聞こえた切なげな声に胸がギュッと締め付けられる。


本当は迷うことなく頷きたくて。


久間君の背中に腕を回したいのに、臆病な心がそれを邪魔する。



好き……だよ。


大好きだよ。


一度認識しちゃったら、もう止まらなかった。


でも……。