いつものバス停で降りると玲音と小さい頃よく遊んだ公園に向かった。


誰もいない公園のジャングルジムの上で玲音とぴったりと隣り合わせて座る。


夜空を見上げると、踊るように星が瞬いている。


目をつぶり、小さい頃と変わらぬ願い事を心のなかで呟く。


ゆっくりと瞼を開き

月明かりに照らされた玲音を見上げると

玲音の柔らかい眼差しに包まれた。



これまでも、これからも

玲音は誰よりも大切な存在。



「玲音、大好きだよ」



まっすぐに玲音を見て伝えると、

玲音の黒く潤んだ瞳が大きく揺れた。



「俺はその何百倍もりりちゃんのことが大好きだよ」



玲音の甘い声を聞きながら

玲音の骨ばった手のひらに頬を引き寄せられて


その日、私たちは少しだけ大人のキスをした。