っていうかさ、この体勢おかしくない?

なんでこんなに密着度高い訳?

これってラブラブカップルがする事じゃないの?



そう思ったら、この体勢がでいるのが恥ずかしくなってきて。



「煌」


「あ?」


「ちょっと離れて」


「何でだよ」



な、何でって……。


ちょっとはこの体勢に疑問を持ちなさいよ!



「……ふーん?」


「な、何よ」



ニタリと上がる煌の口角に頬がヒクヒクと引き攣る。



……もしかしてあたし、余計な事言っちゃった?



「凛音チャン?何で離れたい訳?」


「な、何でって、この体勢おかしくない?」


「どこが?こんなの仲間がするただのスキンシップだろ?」


「あ、そっか」



仲間同士ってよくスキンシップするもんね~。


……ってそんな訳ないだろ!


これのどこがスキンシップなのよ!


周りから見たらただのイチャついてるカップルにしか見えないっつーの!!



そう。これは何処からどう見ても壁ドンしてるイチャイチャカップルにしか見えない。


煌と壁ドンとか有り得ないんですけど!!



「いいから早く離して!!」


「じゃあもう抜けるなんて言いませんって言えよ」


「……っ」



何、それ。


予期せぬ要求に煌を見据えたまま固まるあたし。



「ほら、早く言えって」



そんなあたしの様子に気付いているかの様に、もう一度意地悪く微笑む煌。



「早く」

「………」

「はーやーくー」

「………」

「オーイ」

「………」

「どーし──」


だから、



「近いんじゃボケー!!」



──ゴッ!!



「……っ、おま……」


「アンタが悪い!!」



顎を押さえながら悶絶する煌の懐から素早く抜け出し、そのまま猛ダッシュ。


何か叫んでるけど知らない。


だって、今立ち止まったらあたしの命無いし。



……うん。明日、覚悟しておこう。