「え、え。何でいるの?」

「さっきお母さんに入れてもらったんだよ」

「へ、へぇ…」

「それに今日来たのは、俺だけじゃないし」

「え?」

「ううん。なんでもない」




にこっと笑顔で返された。


「りんごのすり身くらい食べなよ」

「いや…お腹空いてなくて」


「妃鞠、ほら。お水よ」

お母さんが笑顔で渡してくれた。

「ありがと…、でもお母さん。勝手に人の部屋に入れないでよ」

「だって、彼氏さんでしょう?いいじゃない」

「もー…」




少しだけ蒼斗クンを睨むと、ごめんとジェスチャーしていた。



「じゃあごゆっくり」


お母さんはニコニコしながら、部屋を出て行った。

(聞き耳立ててるんだろうなぁ…)