「俺のに乗れ」


困っている私に翔が助け舟をだしてくれた。


「珍しい!翔が自分から乗れっていうなんて!僕たちですら乗せてくれないのに…」


亮太から「ずるい」という目で見られている。


いや、できれば私は自分で乗りたいんだけど…。


「お前らは自分のあるだろ?ほら、桜早く乗れ」


亮太にごめんねと手を合わせて翔のバイクに近づく。


「じゃあ…失礼します…」


ひょいっとまたがると、座り心地はやっぱり自分のとは違って、少し変な感じ。


前の総長から引き継がれたあのバイク、凄く乗り心地がいいんだよね〜。


あ、別に翔のが乗りにくいわけじゃないよ?


本当に少し違うだけ!


「「「「「……………」」」」」


急におし黙るみんな。


「え?なに?」


なにか変なことしたかな?


バイクに乗っただけだよね…?


「なんか乗り慣れてねぇか?」


翔が鋭い目つきで聞いてきた。


や、やばい!


「え⁉︎あ…ああ、お兄ちゃんがバイクもってるから。それより早く行こ!」


危ない危ない。


なんとかごまかせたかな?


前に脇役でドラマの出演依頼があった時に、女優の勉強しといてよかった〜!