「・・・おい」



突然、ケガをしていないほうの肩を掴まれ振り向かされる。
その先にいたのは、鬼羅。




「・・・すまなかった。ケガをさせるつもりはなかったんだ」

「・・・ほっといて」

「そんな恰好で、風邪をひく」





私は着物を脱ぎ捨てた下着姿。
キャミソールは着ているけどそれもどんどん血で赤く染まっていく。




「それに、傷の手当てを」

「・・・ほっといてって言ってるでしょ!」




私は鬼羅の手を振りほどき、着物を洗うのを再開させる。
やけになってごしごしと力を入れて血を落としていく。




「血を流しすぎれば、死ぬぞ」

「・・・せに・・・」

「は?」

「私が死んだって、鬼羅はどうでもいいくせに!」




泣き叫ぶ。
ため込まれた想いが溢れだす。