私は走った…。 あるくねくね道を、路地裏を…猫が歩くような道を…。 今は夏だ。 ロングTシャツに裸足じゃ涼しすぎるくらいだ。 私、東 沙彩はメモ用紙一枚で逃げていた。 初めての風、土、草木、高層ビルやいろんな店、自然や建物を私は感じていた。 私がこうなったのも、数時間前のことだった。